近況報告

紫陽花の季節ですね。
私の住む町はまだ寒い日がありますが、季節の移ろい方がダイナミックで、
暖かな日があるとその一日で草木が一気に伸びたり花実をつけたり。
わずかな恵みをもらさず受ける。過酷な環境で生きながらえるための集中力を感じます。

今日、こちらは気持ちよく晴れました。
洗濯物をパンパンと干しながら、先生ということについて考えました。

農業を教えてくれる先生。町のことを教えてくれる先生。
先生が教えてくれることは、先生自身が時間をかけて学んだことだったりして、
何年も経験して初めて分かったことを、ぽっとやってきた私にあっさり伝授してくれる。
とてもありがたいことだと思いませんか。

この辺りでは、先祖代々の農家さんが多いのだけど、そんな農家さんの中には、
農業技術を人に教えたがらない方もたくさんいるのだそう。
苦しい暮らしの中で、工夫を重ねてあみ出してきたことだろうから、
経験を重ねなくては身にならない、自分で学びなさい、ということなのかもしれない。

その人が見ているものによって違う。
何を見るか、ということはそのまま、その人の世界だから。

人それぞれ。いいも悪いもない。
どんな先生からも何かしら学ぶことができる。
そう考えると、みんなが先生だなぁ。
馬も犬も、虫も風も。先生は「年上や経験豊富な人間」ばかりじゃない。

昨日、こちらに越してきて初めて、やっと石鹸を仕込みました。
4か月ぶりの仕込み。道具を引っ張り出してくるところからスタートでした。
ご注文いただいた石鹸と、夏のための石鹸を。
あぁ、なんというか、楽しいというよりは嬉しかった。
石鹸を作ること。それだけでどうしてこんなに嬉しいんだろう。
型に流し入れるとき、一瞬の集中と衝動と。
自由な、その瞬間は、自分が「この世界」から浮いてしまって、切り離されて
いるような気がする。
自分の宇宙の中にひとりでいるような。なんでしょうね。

あ、今ふと目を転じた先、襖に蝶々がとまっている。
(実は蝶々はちょっと苦手。ひらひらしているから。)
北国の、短い初夏の一日。


2017年6月



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