近況報告

生きています。
今はすっかり秋の虫が鳴く9月ですね。
皆さまお元気ですか?

すっかり農家、毎日汗だくで働いていたら、石鹸のストックが残り1つになってしまいました。
ピンチです…。
仕込みたい石鹸のイメージばかり膨らみ、だけど仕込みはなかなかできない。
あれもこれもと欲ばかりで、下品な石鹸にならないとよいけれど。
次の雨の日には、といつも思いながら、雨の日にも結局農家らしいことをしている。

夏のこの時期は、行き場のない野菜たちに手を加える時間も結構取っているのです。
割れてしまったトマトをドライやソースにして瓶に詰めたり。
この頃ようやくスイッチが入ったきゅうりもストックが増えてきました。
去年もきゅうり、キュウちゃん漬けにして瓶詰めと冷凍していました。
先日、1年前に瓶詰めしたキュウちゃんを開けたら、全然味が変わっておらず、パリパリで
びっくりしました。
ひーひー言いながらこの時期にせこせこ仕込んだ保存食は、本当に嬉しいもので、
食べるときに仕込んだ自分に感謝してしまう。
今年、我が家のハラペーニョが奇跡のようなおいしさ(個人の感想)で、このハラペーニョの
醤油漬けが本当にまいうーです。ありがとう、ハラペーニョ。ありがとう、畑。

農家って、不思議な仕事です。
食べ物を育てて売るのって。そしてその食べ物は、穴があいてたり傷があるといけないとか。
畑で見る野菜たちは、結構傷があったり虫にかじられたりしているのだけど、みんなワイルドな
美しさがある。
きゅうりの頭をかじって売り物にできなくしちゃう虫とか、トマトに穴開けて中に入っちゃう虫とか、
葉物にくっついて汁を吸って葉っぱをおかしくしちゃう虫とか、色々います。
その虫も悪気はなくてただ生きてる。
じゃがいもが結構ねずみにかじられていたのだけど、いも掘りの最中にねずみが登場。
憎らしさはなくて、こんなにじゃがいもあったらそりゃ食べるよね、と思ったし、
ねずみ、なんともかわいらしい。慌てふためいて逃げていった。

野菜も虫もねずみも、ただ生きているものたちの美しさがあって、だけど普段、
その美しさにどれだけ触れられるだろう。
街にある「美しさ」とあまりに違う。
家では本当にワイルドで美しい野菜を食べています。
毎日味が違う。それって本当に私はいいなと思うのだけど。
レシピが素材を選ぶのでなく、素材がレシピを引き出す食べ方が。

昨日、こんな話を聞いた。
(野菜の)なす、上手に育てる人は、一株から50個〜100個くらい採るのだって。
それが栽培技術というやつ。
その技術をとある外国で農民に教えたら、農民たち、
「そんなことしたら、土が壊れちまうぞ。」と。
普通に考えたら、一株のなすからそんなに収穫する必要はなくて、
野菜を売って暮らしを立てるための技術でしかなくて。

私たちは野菜を売って生計を立てようとしているけれど、それって、
現実的なことなんだろうか。
現に農家という職業があって、野菜を売って生計を立てている人たちはたくさんいるのだけど、
根本に考えなければいけないことを見つけたような気がしています。
今の野菜のあり方、農家のあり方のままじゃ、農家なんて誰もいなくなっちまうと思ったから。

話は変わって、
先日、窓辺からどん、と音がして、見にいってみると、鳥でした。
多分、窓が透明だったから激突したんでしょう。
バタバタと羽ばたいてはいるものの、飛ぶことができずにいた。
日陰に移動させたら、数回羽ばたいて、スッと死んでしまった。
本当にスッと。私の手に温かさを残して。
調べてみると、どうやらひばりのようでした。
庭の草陰に静かに置いて、葛の大きな葉をかけておいた。
虫に食べられて土に還るでしょう。弔いは少ししんみりする。
出会ってすぐに別れることになってしまったひばりの、生まれてから死ぬまでを
少し思った。
写真は2年前の私。(の似顔絵)


2020年9月



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